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真空管(しんくうかん、米: vacuum tube、英: radio valve)とは、内部を高度な真空とし、電極を封入した中空の管(管球)のことである[1]。陰極から陽極に流れる電子流を制御することによって増幅、検波、整流、発振などを行うことができる[2]。
電子管[注釈 1]あるいは熱電子管[注釈 2]などと呼ばれる[注釈 3]。 構造としては、一般的にガラスや金属あるいはセラミックスなどで作られた容器内部に複数の電極を配置し、容器内部を真空もしくは低圧とし、少量の稀ガスや水銀などを入れた構造を持つ。 原理や機能としては、電子を放出する電極(陰極)を高温にして熱電子放出効果により、陰極表面から比較的低い電圧により容易に電子を放出させ、この電子を電界や磁界により制御することにより、増幅、検波、整流、発振、変調などができる。 二極管が発明されたイギリスを中心とした欧州で主に、その電極の数により、二極管のことをダイオード[注釈 4]、三極管のことをトライオード[注釈 5]、四極管のことをテトロード[注釈 6]、五極管のことをペントード[注釈 7](以下同様)という。さらに二極管の中でも整流に用いるものを特にレクティファイア[注釈 8]と呼ぶこともある。 真空の管の構造をした小型管で増幅などを行う素子は、発明当時から真空管(vacuum tube)と呼ばれて発展したが、後になって(真空のガラス管という構造では同じでも)大型管、ブラウン管、マイクロ波管など機能が異なるものや、似た機能を持っているが内部が真空でない放電管などが出現し、これらを電子管(electron tube)と総称するようになり、従来「真空管」と呼ばれた小型管は、受信管(receiving tube)と呼ばれるようになった[3]。 つまり「真空管」という言葉は、古風な用い方としては狭義に、もっぱら小型の真空管を指すが、今では広義に、小型のものに限らず、真空もしくは低圧雰囲気空間における電界や磁界による電子の様々な振る舞いを利用する素子全般を総称する用法もある(蛍光灯などの光源目的としたものを除く)。容器内部を真空もしくは低圧とした陰極線管(ブラウン管など)、プラズマディスプレイ、放射線源管(代表的なものとしてX線管)、放射線検出管(代表的なものとしてGM計数管)なども真空管のひとつである。 日本語では専門用語で「球(たま)」、あるいは白熱電球と同様に「管球(かんきゅう)」[4]とも呼ばれる。例えば、トランジスタ使用のアンプに対して真空管使用のものを「球(たま)のアンプ」と言う。また、セット(電気回路による装置)に使っている真空管の本数を称して「n球(きゅう)」という言い方をする。例えばAMラジオ受信機の代表的な構成の一つである、真空管を5本使用したスーパーヘテロダイン受信機を「5球スーパー」と呼ぶ[5]。なお、単に数えるとき(たとえば部品在庫数)の助数詞は「本[6](ほん)」。いっぽう、真空管の代替として発明されたトランジスタなどの半導体素子は専門用語で「石(いし)」と呼ぶことがあり、回路での使用数をあらわす助数詞は「石(せき)」が用いられた[7](単に数えるときには「個[6](こ)」)。
概要
発明、多様化、小型管に対する代替用語の登場
日本語の略呼法や助数詞
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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